萌道～萌えたら負けだと…（ｒｙ～

「そんな、ある日の昼下がり（キュカズ）」（依真）　[ほのぼの] [編集]

3日前には出来上がってたはずなのになぁ・・・。
皆様、涼しくなった今日この頃いかがお過ごしでしょうか?
キューマみたいに腹出して寝ないで下さいね!
ヤツは素っ裸で寝る派だと思います（脳内設定）
一度でもそう思った方は挙手!!（またか

さてー。
今回はキュカズでほのぼの・・・。
絡みはありますがエッチは無しですよー。
大丈夫な方だけ続きを読むからどうぞー。

【そんな、ある日の昼下がり】キュカズ

彼は日が西に傾きつつあるこの時間にも、静かな寝息を立てながらシーツにくるまって寝ている。
自分もまぁ変わった人間だと思うが、それ以上にこの目の前の少年も変わっているとキューマはふと思った。
その昔パンヤ島を滅ぼそうとした魔王の生まれ変わりで記憶喪失、性格は天上天下唯我独尊。見目麗しいがそのキツさで言い寄ってくる人は少ない。
好きな物は特に無し。逆に嫌いな物が多すぎて、特に食べ物なら料理をするこちらが毎日頭を抱える始末。
今日の夕食は何にしようかと首を捻りながらグラスに注いだ冷水を喉の奥に流し込む。

「………ン…」

時折こうして寝返りをうつ癖も、彼と寝るようになってから知った。
腕の中に収まっている時はそうでもないが、彼一人だと頻繁に寝返りをうつ。一度暑いのだろうかと毛布を剥がしたら、気配に気付いて彼が目を覚ました挙げ句、何をしてる、と殴り飛ばされた。
それ以来、寝返りに関しては気にしない事にした。
眠りに就くのは基本夜中遅く。目覚めるのは朝昼は飛ばして夕方か、日が確実に沈んでからだ。
彼が普通と呼ばれる人間の生活をするのは決まって試合か大会の前日と当日しかない。
これが自分の知る彼の全て。
それ以外は話もしないし、訊く気も起きない。
けれど自分は彼と違って朝型で、どんなに夜遅く寝ようと朝の定刻にはきちんと目を覚ます習性がある。
生活習慣が違うのには多少目を瞑るとしても、夜中眠い時に誘われれば、嬉しい反面少々迷惑というもので。

「カズ、そろそろ起きたらどうだ？」

自分の安眠を守るため、キューマはベッドサイドに腰掛けて体を揺すった。
彼は煩いと言わんばかりにキューマの手を振り払うと、また夢の国に向かおうとする。

「カズ」

二度目の呼びかけに彼は反応すらしなかった。
仕方なく最後の手段と白い項に唇を寄せてペロリと舐める。

「ンッ…」

鼻にかかった甘い声が聞こえてキューマは苦笑いをすると、

「悪戯するけど、それでもいいかい？」

と耳元で囁くと、その問い掛けにやっとカズが瞳をうっすらと開く。
当然ながら眉間の皺は深く不機嫌な表情が向けられた。

「………」
「おはよう」
「………チッ」

いきなり舌打ちでイイ度胸だと思うなかれ、彼は寝起きがすこぶる悪いのだ。
勿論そんな事毎日だから、キューマは慣れっこである。

「ご飯は？」
「…要らない。寝る…」

「る」の部分は殆ど息に近かった。
重い瞼が閉じてゆく。

「…カズ、悪戯するよ？」
「……ん…」
「いいんだな？」

昨夜だって散々鳴かせて、躰を弄くって、それこそカズが起きられないのが当然なのだが、そんじょそこらの同年代の何倍もキューマもカズもタフだった。
耳を甘噛みしてワザと音が聞こえるように舐める。

どうせ今日も明日も何も予定は入っていないのだ。
多少動けなくしてやるぐらいが丁度いいだろうと、後で殴られる覚悟だけして、キューマはカズの躰を組み敷いたのだった。

そんな、ある日の昼下がり。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　END