萌道～萌えたら負けだと…（ｒｙ～

【文】強がりな君　[ほのぼの] [編集]

小説担当の依真です。
今日は愁伽ちゃんがデートに行って来るって言うんで、自分が更新します!
酷いよ!私というものがありながら!!
3年目の浮気熱唱するぞ!!

とまぁそれは置いといてですね。
今日の小説はキュカズでほのぼの。
特に何も考えないで書いたので色々グチャグチャですが。
昨日愁伽ちゃんが転んで怪我したのが元ネタです（笑

強がりな君

エリカとの対戦、シャイニングサンドにて。
カズの今日の装備は、「暑いから」という理由で水着だった。
短い海パンに透けた上着。
正直、キューマにとってその透けた上着から見える白い肌は酷く扇情的だった。
頭上に燦燦と輝く太陽が手伝って、うっすらと汗が滲んでいる。

(…そろそろ俺も熱で頭がおかしくなって来たんじゃないだろうか)

リベラの村もそれなりの気温は保っているが、砂漠地帯はその気温を遥かに越え、蒸発しそうな暑さだった。

(…抱いてしまいたい)

昨日も、一昨日も、その前の日も、カズと抱き合う所か触れ合ってもいなかったと考える。
こうやって時折恋人同士の様に身体を求め合う事はあっても、自分達は世間一般には言われぬ関係であり、そもそも付き合ってすらいないという不思議な関係を保っていた。

自分は己の身を守る為に。
カズは毎月訪れる発情期を抑える為に。

これは、共犯だと、二人で決めたのだ。
それ以下もそれ以上も求めぬよう心に歯止めを掛けながら。

爽快なショット音が木霊する。

(今は、考えるな)

仕事に専念しなければ、とキューマは走り出した。
カズが打ったウォーターアズテックを追って。

****

アズテックが止まったのを確認してその場に立つと、後方でエリカが何か騒いでいるのを知った。

「どうしたんだい?」
「カズが転んだの!」

血が出てて止まらないの、どうしよう!

エリカがオタオタしているものだから、慌ててキューマはエリカの元に駆け寄る。
当のカズはひょこひょこと片足を引きずって歩いていた。
左の膝に擦りむいて血が流れている事を確認する。

「結構な出血だな。ちゃんと消毒した方がいい」
「必要ない、行くぞ」
「ちょ、ダメに決ってるでしょ!ちゃんと手当てしなきゃ!」
「エリカの言う通りだ。砂が入ったまま放置すると傷口から腐って歩けなくなる」
「・・・嘘・・・」
「本当だ。ほら、カズ」

腐る、という言葉に反応して真っ青になったエリカを見て、カズは渋々キューマに手を引かれた。

「酷いようだったら試合は中断しても構わないか?」
「良いに決まってるでしょ。早く消毒しなきゃ、歩けなくなっちゃう!」

ちゃんとキューマの言うこと聞くのよー!

後ろでエリカが大声で叫んだ。
カズは無反応で返したが、嬉しかったのか頬が赤く染まっていた。

「君が転ぶなんて、そんな事もあるんだな」
「・・・何が言いたい」
「何でもそつ無くこなすと思ってたんだ。気に触ったらすまない」

座って、とオアシスの縁に促す。
シャイニングサンドにオアシスは少なく、エリカの姿は既に見えなかった。

「ちょっと沁みるけど」

ぱしゃり、と水が傷口に触れて、カズは眉を寄せた。

「・・・っ」
「痛いかい?」
「・・・別に」

別に強がる必要は無いのにと思うが、カズのプライドは高い。
そこを汲み取って理解せねば、彼と付き合うのは予想以上に困難なのだとキューマは知っていた。
それでもやはり「可愛くない」と思ってしまうのは自分が男だからだろう。
少し虐めてやりたくなって、血が流れ出る傷口に唇を寄せて、舐めた。

「い・・・－ｯ!!」

なるべく刺激を与えないようにと気を使ったつもりではあったが。
カズが一滴、涙を零した。

「・・・すまない」
「・・・この・・・!・・・ン・・・！」

結局その日の試合は中止となった。
特に傷口が酷い訳でもなかったのにー・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　END